着物の種類一覧
普段着から礼装まで完全ガイド
着物には格式の高い礼装から日常で気軽に着られるカジュアル着物まで、多様な種類があります。この記事では、黒留袖から浴衣まで主要な着物の種類を格式順に整理し、それぞれの特徴・着用シーン・買取相場をわかりやすく解説します。
最終更新:2026年5月17日
この記事の目次
着物の格式(ランク)の全体像
着物には「格」と呼ばれる格式の序列があります。格が高い着物ほどフォーマルな場面で着用し、格が低い着物はカジュアルな日常シーンで楽しみます。この格の概念は、着物を正しく着こなすためだけでなく、買取査定においても重要な判断材料となります。
大きく分類すると「第一礼装」「準礼装」「略礼装」「外出着」「普段着」の5段階に分かれます。それぞれに該当する着物の種類を、以下の表で確認しましょう。
| 格式 | 該当する着物 | 主な着用シーン |
|---|---|---|
| 第一礼装 | 黒留袖・色留袖(五つ紋)・振袖・打掛 | 結婚式・成人式・叙勲 |
| 準礼装 | 色留袖(三つ紋・一つ紋)・訪問着 | 披露宴・入学式・卒業式 |
| 略礼装 | 付下げ・色無地(紋付き) | パーティー・お茶会・七五三 |
| 外出着 | 小紋・御召・更紗 | 観劇・食事会・街歩き |
| 普段着 | 紬・木綿・ウール・浴衣 | 日常生活・散歩・自宅 |
礼装(第一礼装・準礼装)
黒留袖(くろとめそで)
既婚女性の第一礼装です。黒地に裾だけに絵羽模様が入り、五つ紋が付きます。結婚式で新郎新婦の母親が着用するのが最も一般的な場面です。格式が最も高い着物ですが、着用機会が限定的なため、買取市場での需要はやや低めです。ただし、友禅や刺繍が施された高品質なものは作家物として高額で取引されます。
格式
第一礼装
紋の数
五つ紋
買取相場
1,000円〜15万円
色留袖(いろとめそで)
黒以外の地色で、裾に絵羽模様が入った着物です。紋の数によって格式が変わり、五つ紋なら第一礼装、三つ紋なら準礼装、一つ紋なら略礼装として着用できます。黒留袖よりも華やかな印象で、親族の結婚式や格式の高いパーティーなどで着用されます。詳しくは訪問着と留袖の違いも参考にしてください。
格式
第一礼装〜略礼装
紋の数
五・三・一つ紋
買取相場
2,000円〜10万円
振袖(ふりそで)
未婚女性の第一礼装で、長い袖が特徴です。袖丈によって大振袖(本振袖、袖丈114cm前後)、中振袖(袖丈100cm前後)、小振袖(袖丈85cm前後)に分けられます。成人式で着用されるのは主に大振袖です。買取市場では最も需要が高い着物の一つで、状態の良い正絹の振袖は高額で取引されます。詳しくは振袖の買取相場をご覧ください。
格式
第一礼装
着用者
未婚女性
買取相場
3,000円〜40万円
訪問着(ほうもんぎ)
準礼装に位置づけられる着物で、縫い目をまたいで柄がつながる「絵羽模様」が特徴です。既婚・未婚を問わず着用でき、結婚式のゲスト、入学式・卒業式、パーティー、お茶会など幅広いシーンで活躍します。フォーマルからセミフォーマルまで対応できる万能さから、中古市場でも安定した需要があり、買取価格も比較的高めです。
格式
準礼装
着用者
既婚・未婚問わず
買取相場
2,000円〜25万円
略礼装・外出着
付下げ(つけさげ)
訪問着に次ぐ格式を持つ着物で、柄が肩山や袖山を頂点として上を向くように配置されているのが特徴です。訪問着との違いは、縫い目をまたいで柄がつながっていない点です。訪問着よりも控えめな印象のため、入学式・卒業式、七五三、お茶会などで重宝します。買取相場は訪問着よりやや低めですが、人気作家の手描き付下げは高額で取引されます。詳しくは小紋と付下げの違いをご覧ください。
格式
略礼装
柄の配置
上向き・飛び柄
買取相場
1,000円〜10万円
色無地(いろむじ)
黒以外の一色で染められた無地の着物です。紋を入れることで格式を変えられる便利な着物で、一つ紋なら略礼装として入学式やお茶会に、紋なしなら外出着としてカジュアルに着用できます。慶事・弔事のどちらにも使えるため、1枚あると重宝します。買取相場は一般品で1,000円〜5,000円程度ですが、人間国宝の作品など高品質なものは数万円〜数十万円になることもあります。
格式
略礼装〜外出着
特徴
一色無地・紋で格変化
買取相場
1,000円〜5万円
小紋(こもん)
全体に繰り返しの小さな柄が入った着物です。外出着に分類され、観劇、食事会、街歩きなどで着用します。型染め・手描き・絞りなど多彩な技法があり、加賀友禅の小紋や江戸小紋(極小の柄を型染めしたもの)は格式が高く、略礼装としても着用できます。一般的な小紋の買取相場は低めですが、江戸小紋や有名染色作家の作品は高額になります。
格式
外出着
柄の特徴
全面に繰り返し柄
買取相場
500円〜8万円
普段着・カジュアル着物
紬(つむぎ)
紬糸(繭から引いた糸に撚りをかけたもの)を使って織り上げた着物です。格式としてはカジュアルに分類されますが、大島紬や結城紬などの産地物は高級品として知られ、買取市場でも高値で取引されます。独特の風合いと丈夫さが特徴で、着物愛好家に根強い人気があります。紬の種類と産地も参考にしてください。
格式
普段着
素材
紬糸(先染め)
買取相場
3,000円〜40万円
木綿・ウールの着物
日常着として気軽に着られる着物です。木綿の着物は洗濯機で洗えるものも多く、初心者にも扱いやすいのが特徴です。ウールの着物は秋冬の普段着として重宝され、シワになりにくく丈夫です。買取相場は一般品で数百円〜数千円程度ですが、久留米絣や伊勢木綿などの産地物は数千円〜数万円になることもあります。
格式
普段着
メリット
手入れが簡単
買取相場
100円〜2万円
浴衣(ゆかた)
夏の普段着として最もカジュアルな和装です。木綿や麻の生地で仕立てられ、長襦袢を着ずに素肌の上に直接着用します。夏祭りや花火大会、温泉旅館などで広く着られています。一般的な浴衣の買取相場は低いですが、有松鳴海絞りや注染(ちゅうせん)など伝統的な技法で作られたものは価値があります。夏着物の種類と特徴も合わせてご覧ください。
格式
普段着(最カジュアル)
時期
6月〜9月
買取相場
100円〜5,000円
種類別の買取相場一覧
| 種類 | 一般品 | ブランド品 | 作家物 |
|---|---|---|---|
| 振袖 | 3,000円〜2万円 | 2万〜8万円 | 8万〜40万円 |
| 訪問着 | 2,000円〜1.5万円 | 1.5万〜6万円 | 6万〜25万円 |
| 紬 | 3,000円〜2万円 | 2万〜10万円 | 10万〜40万円 |
| 留袖 | 1,000円〜8,000円 | 8,000円〜4万円 | 4万〜15万円 |
| 付下げ | 1,000円〜5,000円 | 5,000円〜3万円 | 3万〜10万円 |
| 小紋 | 500円〜3,000円 | 3,000円〜2万円 | 2万〜8万円 |
| 色無地 | 1,000円〜3,000円 | 3,000円〜1.5万円 | 1.5万〜5万円 |
※ 相場は状態・サイズ・市場動向により変動します。正確な査定額は無料査定でご確認ください。
着物の種類を見分けるポイント
柄の入り方で見分ける
縫い目をまたいで柄がつながっているなら訪問着、肩山・袖山から柄が上を向いているなら付下げ、全体に同じ柄が繰り返されているなら小紋です。裾だけに柄が入っていれば留袖です。このように柄の配置パターンが着物の種類を判別する最も重要な手がかりとなります。
素材で見分ける
正絹(シルク100%)の着物は光沢があり手触りが滑らかです。化繊(ポリエステル)は燃やすと溶けて固まりますが、正絹は燃やすと髪の毛を燃やしたような臭いがします。紬は表面に独特の節(ふし)があり、織りの凹凸を手で感じられます。着物の素材ガイドで詳しく解説しています。
紋の数で見分ける
紋は背中の中央、両袖の後ろ、両胸の5か所に入れることができます。五つ紋は最高格式、三つ紋は準礼装、一つ紋は略礼装です。紋の種類(染め抜き紋・縫い紋・貼り紋)によっても格式が異なり、染め抜き日向紋が最も格が高いです。
着物を売るなら種類の理解が重要
着物を売る際、自分が持っている着物の種類を正しく理解しておくことは非常に重要です。種類によって買取相場が大きく異なるだけでなく、一般のリサイクルショップでは着物の種類を正確に判別できず、適正価格で買い取ってもらえないケースがあります。
例えば、紬は格式上はカジュアル着物ですが、大島紬や結城紬は非常に高価です。逆に、格式の高い黒留袖でも一般品の買取相場は低めです。このように、格式と買取価格は必ずしも一致しません。
着物の価値を正しく評価してもらうためには、着物専門の査定員がいる買取業者に依頼することが大切です。おすすめ買取業者ランキングでは、着物の専門知識を持つ査定員が在籍する業者を紹介しています。高く売るコツも合わせて参考にしてください。